クイックロービジョンケア~雨の日に~
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
このシリーズでは、本校の相談支援活動でよく耳にする、生活上の不便さに関する話題から、対応策を紹介して喜んでいただけたものを紹介していきます。
多くの人が、雨の日の移動には不便を感じていると思いますが、見えない・見えにくい人にとっては、右手に白杖、左手に傘と、両手が塞がって、より大変だと聞いています。
そんな状態で、乗用車に乗り込むための行動を考えてみましょう。
白杖を持った方の手でドアを開ける。傘を閉じる。背中にリュック等を背負っているので、とりあえず片方の肩から外す。車内で引っかからないように、白杖を折りたたむ。乗り込む。
晴眼者であれば、片手で傘を持ちながらドアを開け、手に持ったかばんなどを、とりあえず車内に置き、自分の体をシートに座らせつつ傘を閉じるといううごきで、あまり雨に濡れないようにできますが、両手が塞がり、背中に荷物を背負っていると、どうあっても、雨に濡れる時間が長くなります。
「だから、雨の日はいやなのよ」と、チューモ君日記ではおなじみの弱視の職員ニムラさん(仮名)もぼやいていました。
少しでも雨に濡れる時間を短くできないかと考えていたところ、百円ショップで、「かさ固定用マグネット」というものを見つけました。
(写真1 傘固定マグケット 四角と丸の2タイプ)
傘の骨の先端に、強力なマグネットの付いたストラップを取り付けておくと、車の屋根にくっつき、柄の部分が入り口に引っかかって、屋根が張り出した形になるというものです。
これなら、手を離して、背中から荷物を下ろしたり、白杖をたたんだりすることが、濡れずにできそうです。
手近な傘に取り付けてみました。
傘の骨にゴムを通し、露先(傘の骨の先端部)にシリコーンのリングをはめるだけ。
使うときは、車のドアを開き、屋根とドアに傘を載せます。
風がなければ、これだけでも引っかかっていますが、屋根の上にマグネットで固定されていることで、多少の風が吹いたり、体にぶつかったりしても、安定しています。
(写真2 露先に取り付けた傘固定マグネット)
(写真3 車の屋根とドアに傘を乗せているところ)
(写真4 車の屋根の上に貼り付いている傘固定マグネット)
傘をたたんだ状態のときは、スチールの下足棚などに立てかけておくときなども便利です。
(写真5 下足棚に傘固定マグネットを貼り付けて立てかけられている傘)
視覚障害者用に開発された高価な支援機器でなくても、自分にとって使いやすい道具を探すと、生活の中のちょっとした困りごとを解決することができます。
使い勝手は、それぞれの人によるので、「絶対にこれが一番」というものはありません。紹介した商品を参考にしながら、自分にとって使いやすいものを探してみてください。