理療科について
1 理療科とは
理療科は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格取得に向けた職業教育を行う学科です。
修業年限3年の3つの科が設置されています。
高等部保健理療科:高等学校の卒業資格と、あん摩マッサージ指圧師の国家試験受験資格が得られます。
対象:中学校卒以上
専攻科保健理療科:あん摩マッサージ指圧師の国家試験受験資格が得られます。
対象:高等学校卒以上
専攻科理療科:あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家試験受験資格が得られます。
対象:高等学校卒以上
入学できる方は、本校の校長が本校の対象者と認め、かつ、次のような見えにくさのある方です。
1 両眼の矯正視力がおおむね0.3未満の方
2 視力以外の視機能障害(視野狭窄、夜盲など)が高度な方のうち、 拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度の方
2 学習内容
・ 人体の構造や機能、東洋医学、経穴(つぼ)等の専門知識
・ あん摩マッサージ指圧、鍼灸の実技
・ 病態把握に関する知識・技術
・ 患者さんとのコミュニケーション
3 見え方に応じた学習環境について
本校では、視覚に障害のある方の学習を支援するため、一人ひとりの見え方に応じた学習環境を整えています。
(1)見えにくい方の場合
学習に使用する資料は、適切な大きさやコントラストで提示し、読みやすさを確保します。また、拡大読書器を設置し、文字を拡大したり、白黒反転を利用したりすることで、視認性を向上させます。さらに、タブレットや電子教科書を活用することで、拡大や色調変更が可能な学習環境を提供します。
(2)見えない方の場合
音声教科書や音声パソコンを活用し、画面読み上げソフトを用いた学習を進めます。また、点字資料や触図・模型等を併用し、理解を深められるよう配慮します。
4 進路について
本校の卒業生は、取得した資格や学んだ技術を生かし、さまざまな分野で活躍しています。特に多い進路として、以下のようなものがあります。
(1)訪問マッサージ事業所での勤務
高齢者や障害のある方の自宅や介護施設を訪問し、機能回復や維持を目的としたマッサージを提供する仕事に従事しています。
(2)医療機関や介護施設での勤務
医療機関や介護施設に勤務し、リハビリテーションの一環としてマッサージや鍼灸施術を行います。医師や理学療法士と連携しながら、患者の機能回復や痛みの緩和をサポートします。
(3)企業での健康管理業務(ヘルスキーパー)
企業の健康管理部門や福利厚生施設において、従業員の健康維持・増進を目的としたマッサージや健康指導を行う仕事に携わります。職場環境の改善やストレス管理を支援する役割も担っています。
(4)治療院の開業
あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師は、国家資格を取得することで、自ら治療院を開業できる数少ないコメディカル職です。治療院では、慢性的な痛みの緩和や体調管理、健康増進を目的とした施術を行い、地域の方々の健康を支えます。
このほかにも、スポーツトレーナー、研究・教育分野など、卒業後の進路は多岐にわたります。
5 費用
(1)学費
教科書代を含め、就学奨励費制度により授業料の負担はありません。
(2)給食
8時35分から15時30分(※16時30分の場合あり)の時間帯で学習を行います。昼食は、全員で給食を食べます。給食費は1食あたり370円で自己負担となりますが、就学奨励費制度により、所得に応じた補助があります。
(3)通学費
通学にかかる費用は自己負担となりますが、就学奨励費制度により、(2)と同様に所得に応じた補助があります。
(4)施術着・施術道具
授業では、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの実技を学びます。その際、施術着に着替えて受講する必要があります。また、はり・きゅうの実技では、実際に「はり」や「もぐさ」を使用します。これらの施術着や実技で使用する道具は各自購入が必要で、自己負担となります。
6 寄宿舎について
本校は県内に1校のみの視覚支援学校ですので、毎日の通学が困難な場合には、寄宿舎の利用が可能です。 共同生活の場になりますので、定められた日課やきまりのもとに集団生活を送ります。
毎週末および祝日の前日、長期休業中は閉舎し授業日前日の15時に開舎します。