クイックロービジョンケア まな板
(2024年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
このシリーズでは、本校の相談支援活動でよく耳にする、生活上の不便さに関する話題から、対応策を紹介して喜んでいただけたものを紹介していきます。
「調理をしていて、包丁を使うときに食材がよく見えなくて怖くなってきた」という話をよく聞きます。
大阪にある、視覚障害者のための補装具、補助具、日常生活用具などを扱っているジオム社では、20年以上前から、「白黒両用まな板」を販売しており、本校の相談支援活動でも、大分以前から、何人もの人に紹介して喜ばれてきました。
名前のとおり、まな板の片面が白、もう片面が黒になっている製品です。
試しに、白と黄色のものを、それぞれの面に載せてみたのが、下の写真です(写真2枚)。
白い面より、黒い面の方がはっきり見えますね。例えば、大根や卵焼きを切るときなどは、黒い面を使った方がよさそうです。
白い面では、色が濃いものが見えやすいです。緑のピーマン、赤いトマトや肉などはこちらの面を使うとよく見えそうです。
白いまな板は、すでに持っているので、黒いものだけあればいいという方には、百円ショップのまな板シートを紹介しています。
百円ショップを覗くと、単純に黒いシート、切ったものが転がり落ちないように立ち上がりが付いたり、水切り穴が付いたりしたもの、等分に切り分けられるように目盛りが付いたもの、切ったものを鍋に入れやすいように曲げられるものなど、様々なタイプのまな板シートが並んでいます。
自分の調理のスタイルに合わせて、いろいろ探して試してみるのも楽しいと思います。
百円ショップで購入したまな板シートの例(写真2枚)
視覚障害者用に開発された高価な支援機器でなくても、自分にとって使いやすい道具を探すと、生活の中のちょっとした困りごとを解決することができます。
このような、ちょっとした工夫で見えにくい方の生活を改善できるようなアドバイスを行うことを「クイック・ロービジョンケア」といいます。
文房具の紹介の際もお伝えしているように、弱視の人は、それぞれ見え方が違うので、「絶対にこれが一番」というものはありません。紹介した商品を参考にしながら、自分にとって使いやすいものを探してみてください。
(2025年11月19日 再掲載)