卒業生インタビュー 全国盲学校弁論大会出場経験者からのメッセージ 1
(2023年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
2023年10月6日に、本校を会場に、第91回全国盲学校弁論大会が開催されます。そこで、本校卒業生で、過去に、全国盲学校弁論大会に出場した方々に、当時の思い出や、秋田大会に出場する皆さんへのメッセージを伺いました。
チューモくん:こんにちは。お名前と、参加した大会、そのときの演題を教えてください。
野呂:野呂 亙です。高等部保健理療科3年の時に、2004年の第73回大会に出場しました。演題は、「私の人生爆走中」でした。
チューモくん:校内弁論大会、東北地区盲学校弁論大会を経て、全国大会出場となったわけですが、弁論大会に出場しようと思ったきっかけは何でしたか?
野呂:弁論なんて、自分には無縁だと思っていましたが、盲学校に入った思い出になればという、軽い気持ちで自分の半生を書きました。
チューモくん:最初は、是非これを訴えたいということではなかったのですか?
野呂:はい。ただ、担任の先生に根掘り葉掘り聞かれたこともあり、半年ほど掛けてじっくりまとめました。本番では、車を乗り回していた若い頃、その後、就職して真剣に仕事に取り組んだこと、目が見えなくなって喪失感に襲われ、無気力になったこと、そんな自分の歩みを振り返って、もう一度頑張ろうという決意を話しました。
チューモくん:全国大会では、3位入賞でしたね。
野呂:周囲の皆さんからの励ましをもらったおかげで、第3位となりました。生涯忘れられない思い出となりました。
チューモくん:そういえば、野呂さんが全国大会に出場した時の審査員長は、内館牧子さんだったそうですね。
野呂:そうです。今年の大会にも内館さんがいらっしゃるそうですね。
講評のとき、「野呂さん、かっこいいですね」と言われたことを覚えています。「型にはまらないところがいい。型にはまらなくてもいい」と言われて、くすぐったかったです。
チューモくん:それでは、最後に、秋田大会に出場される弁士の皆さんへの応援メッセージをお願いします。
野呂:自分の障害のことを考えることは大事なことですが、いつもいつも「障害者だから」という気持ちでいると、守られているという感覚が強くなって、小さくまとまってしまうこともあります。周囲の様々な人の話を聞いて情報を得ながら、普通の人と同じ目線で目標をもち、どんどん新しいものに挑戦して、少しでも前進していく人生にしましょう。
私は、全国大会で、それまでにないくらい緊張しました。緊張はするものですが、よい弁論が発表できるように応援しています。
チューモくん:お忙しい中、インタビューに応じていただき、ありがとうございました。
野呂さんの弁論は、「全国盲学校弁論大会四七話 生きるということ-鎖の輪が広がる-」(ジアース教育新社)に収録されています。
(2025年9月29日 再掲載)