弱視職員へのインタビュー1(5回目)
(2022年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。
本校の弱視の教師が子ども時代にどんなことを感じて過ごしていたかというインタビューの5回中の5回目です。
チューモくん:今まで、ご自分の見え方について、どう感じていて、そのことで周囲とどうすれ違ったり、困ったりしたかというお話をたくさん伺いましたが、今回は、どんなことに備えていけばいいのかとか、こんなことが後に役立ったとかいうお話を聞けたらいいなと思います。
ミヨシ :高校3年の時、クラス対抗のスポーツ大会がありました。野球、バスケ、バレー、卓球の試合があり、野球に出ることになりました。「キャッチボールとか無理だよ。」とみんなに伝えると、バントで塁に出ればいいからという話になりました。野球のルールはゲームなどで理解しており、足の速さにも自信があったので、バントでボールに当てさえすればどうということはないと考えていました。そして、自分の打順で、無事バントに成功! 1塁ベースに到達した時点で、2塁も狙えそうだと判断した担任の先生が、その指示を出したのですが、2塁がある場所を見失い、ライト方向に疾走してしまったことがありました。しっかりとフィールドの配置を確認しておけば良かったと反省しています。
チューモくん:なるほど、事前の確認や準備が大事ということですね。では、子どもの頃に、こんなことをしていたのがよかったなというエピソードはありますか。
ミヨシ :小さい頃はいろいろなものを分解していました。ボールペンとかラジカセとか、リモコンとか、とにかく身の回りのメカニカルなものはなんでも分解してみたいという衝動に駆られていました。分解しても元に戻せないことがあって、父親にはよく怒られていましたが、今思うと、その分解で分かったこと、気付いたことが、抽象的なものの考え方にもつながっていたんだなと思います。
チューモくん:たくさんのエピソードを教えていただき、ありがとうございました。
野球の話から、事前に情報を整理して備えておくということも大事だと改めて思いました。
最後のエピソードからは、やはり、いろいろなことに興味をもち、体験し、自分の中に概念を作り上げていくことが必要なのだと教えてもらいました。
(2025年8月7日 再掲載)