弱視職員へのインタビュー1(4回目)
(2022年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。
本校の弱視の教師が子ども時代にどんなことを感じて過ごしていたかというインタビューの5回中の4回目です。
チューモくん:前回、女の子の名札を読もうとして近付き過ぎて怒られたという話がありましたが、他に学校生活で印象に残っていることはありますか。
ミヨシ :国語の授業で音読をするのが嫌でした。家で、「本読み」をするという宿題が出されていましたが、提出するものがなかったので、その宿題をしていませんでした。「本読み」の宿題というのは、国語の教科書を読み込んで暗唱するものだと思っていたんですね。みんなは授業中に急に指名されても、スラスラ音読していたので、「みんなちゃんと宿題をして暗唱できるようになっているんだな」と思って、少し罪悪感を感じていました。
また、「夏休みに本を2冊読んだ」などといった話もクラス内で聞いたりすることがありましたが、「〇〇さんは天才なんだな。」と思っていました。今考えてみると、自分がよく見えていなくて読むのが遅いだけだったんですけどね。
チューモくん:見えにくいと、読むことに対するハードルは高いものなんですね。
ミヨシ :ノートを取るのも大変でしたね。風邪で欠席した次の日、先生から、「昨日のことは隣の〇〇さんにノートを見せてもらってください。」と言われ、見せてもらうことになりました。当時は、とにかく細く、とにかく薄い文字が流行っていたこともあり、そのノートに書かれている内容が全くわかりませんでした。結局、隣の人が読み上げてくれることになり、なんとかなりました。見えにくい自覚がなかったんだなと思います。
見えにくい子どもは、理解できることでも、読むこと書くことといった、入力と出力に時間が掛かります。そのことを見越した時間配分や学習方法を考えていくことが大事ですね。
(2025年8月6日 再掲載)