これも教材に バービー人形
(2024年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
このシリーズでは、本校で教材として使ってきたものや教材になりそうなものを紹介していきます。
今回は、誰もが知っているバービー人形です。
1959年にアメリカのマテル社から発売された着せ替え人形バービーは、世界各国で販売されていますが、2019年から発売されている「バービー ファッショニスタ」という製品群では、さまざまな肌の色、目の色、髪の色や質感、体型、障害、ファッションなどの人形を展開しています。
これまで、日本で発売された、障害のあるバービーは、車いすに乗ったもの、補聴器を付けたもの、ダウン症の特徴をもったものの3種類。
そして、今年(2024年)8月末には、白杖を持ったバービーが数量限定で発売となりました(日本では未発売ですが、このほかに、義足のバービーも存在しています)。
「バービー ファッショニスタ ラベンダーピンク」という名前のこのバービーには、白杖とサングラスが付属しています。
白杖を持ったバービーは、視覚障害がある子どもたちに遊んでもらうことも想定しており、背面の面ファスナーを濃いピンクにして視認性を高めたり、スカートに伸縮性のあるウエストバンドを付けたりしたことで、視覚障害があっても着せ替えしやすくなっています。また、スカートは手触りを感じやすいフリル素材で、パッケージ表面には点字で「Barbie」と記されています。
白杖を操作するために、肘関節が曲がるようになっています。 目は、若干、外斜視に見えます、目立たない程度に見えにくさを表現しているのでしょうか?
現在、本校では、人形遊びをするような年代の幼児児童はいませんが、学習活動に使えないものかと考えてみました。
視覚支援学校に在籍する児童生徒は、視覚障害について考えることはあっても、他の障害について考える機会はあまりありません。ダウン症の特徴的な顔つきや体型のバービーは、足に補装具を着けていますし、車いすのバービーには、ドールハウスに入るためのスロープが付属しているなど、リアルな部分が多いシリーズですので、見比べ、触り比べることで、他障害への理解を図るきっかけにできないものかと考えています。
また、インクルーシブな社会に向けての啓発ということで、校外での障害理解授業等で利用することもできるのではないかとも考えています。
(追記)2025年8月現在、日本でも、バービーデラックススタイルのシリーズからローズモチーフルックという義足のバービーが販売されています。また、同年7月には、アメリカで、持続血糖モニターやインスリンポンプを身につけている1型糖尿病のモデルも発売になりました。
(2025年11月6日 再掲載)