110周年・もの 点字タイプライター
(2022年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。
秋田県立視覚支援学校は、令和4年度で創立110周年。
今回は、本校に現存する点字タイプライターの話です。
これは、パーキンスブレイラー。
ブレイルというのは、英語で点字を意味します。点字を発明したフランスのルイ・ブライユの名前から付けられました。
アメリカ製で、とても堅牢なので、本校でかなり長い間使われていますが、現役です。
真ん中のキーがスペースキーで、その左右にある6つのキーが点字の6つの点に対応しています。スペースキーを挟んで左の内側から外に向かって1・2・3の点。右の内側から外に向かって4・5・6の点です。
キーを打つと、ピンが紙の下から上に向かって出てきますので、打った点字を紙を外さずに読むことができます。
本校には、この他にも2種類の点字タイプライターが保存されています。
一つはライトブレイラー。弘誓社製です。通称カニタイプ。6つの点に対応したキーが、まるでカニの足のように見えます。
この点字タイプライターは、紙の上からピンを押しつけるタイプで、右側の外側から内に向かって1・2・3の点、左側の外側から内に向かって4・5・6の点に対応しています。パーキンスブレイラーとは、対応する指が全く違います。
本校には、ライトブレイラーが3台残されていました。製造された年代が少しずつ違うようですが、写真1と写真2は同じもので、「普通型」と呼ばれるものです。
写真3も、ライトブレイラーですが、もはや「カニ」とは呼べないような形になっています。しかし、これも通称「カニタイプ」です。
正式には「製版型」と言います。
キーと指の対応が「普通型」とは違っており、パーキンスブレイラーと同じく、左側の内側から外に向かって1・2・3の点、右側の内側から外に向かって4・5・6の点に対応するようになっています。
ライトブレイラーは現在製造されていません。
もう1種類は、写真4でテラタイプと呼ばれるものです。長野視障機器製です。
左右3つずつのキーと真ん中にスペースキーがありますが、スペースキーの左右にも羽のような形のキーがあります。
本校にあるものは、8点式の点字タイプライターでした。8つの点を使う「漢点字」に対応したタイプなのです。1の点の上に付く点を0の点、4の点の上に付く点を7の点と言います。
大きさは、ライトブレイラーよりも小型です。紙送りが向こう側から手前になっていて、キーと指の対応は、パーキンスブレイラーと同じです。
現在でも、6点式のものが、「Newテラタイプ6点用」という商品名で、販売されています。
本校に現存する点字タイプライターは以上ですが、この他にも国内では、ニモカ(日本盲人用具開発)製のアポロブレイラーとアポロスーパー、仲村製のナカムライター等の様々な点字タイプライターが作られていたようです。
(追加情報)
その後、校内にアポロブレイラーも2台残されていることが判明しました。
(2025年6月27日 再掲載)