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110周年・もの  塙保己一座像

(2022年 初掲載)

秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。

秋田県立視覚支援学校は、令和4年度で創立110周年。
今回は、90年前から本校に伝わる人形を紹介します。

本校に、長年、保管されてきた塙保己一像があります。
塙保己一は、江戸時代の国学者で、全盲だけど、記憶力抜群。40年かけて、日本中に散らばっていた本の情報を集めて、「群書類従」という文献集を編纂した人です。

2020年、秋田県横手市の郷土人形である中山人形を調べていた、秋田県立博物館の副主幹の丸谷仁美先生から、「昭和7年に秋田県立盲?学校に中山人形の塙保己一座像が寄贈されたらしいが、残っていないか」との問い合わせがあり、その由来について判明しました。
地震で落下して、胸のあたりから割れていましたが、研究協力へのお礼ということで、博物館職員の方が修復してくださいました。

丸谷先生が本校に問い合わせてこられるきっかけとなった昭和7年5月の秋田魁新報の記事によると、座像は、横手町(現在の横手市)の「鮮進堂」という商店の店主大沢堅治氏から寄贈されたものです。また、人形の背面に書かれていた文字から、制作されたのは昭和6年11月。制作者は瓦山の雅号をもつ樋渡義一さんであることが分かりました。

丸谷先生によれば、秋田県立視覚支援学校の塙保己一像は、白地に古代羊形金襴織模様の頭巾、赤地に雲立涌模様の上着、白綸子の綾織の下着で、「総検校」の服装を忠実に再現しているもだそうです。
扇子は、中啓という特別な形のもので、本来は、表は金、裏が銀色なのだそうですが、修復前は黒く塗られていたので、ここだけは、今回の修復の時に、文献に合わせて、色を替えて塗ってくださったそうです。

今年は、この像が本校に贈られてちょうど90年。
おそらく、秋田県立盲唖学校のためだけに作られた一品ものということなので、これからも大事にしていきます。

(2025年6月25日 再掲載)

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