視覚障害者の生活~キャッシュレス決済~
(2022年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。
今回は、本校の弱視の職員に、キャッシュレス決済について聞きました。
お話を聞いたのは、ニムラさん(女性・仮名)とミヨシさん(男性・仮名)とヨツヤさん(男性・仮名)の3人です。
チューモくん:みなさんは、キャッシュレス決済を使っていますか?
ミヨシ :僕は、モバイルSuicaを使っています。スマホで扱えるのがいいです。支払いの時、現金のやりとりがないのがいいですね。5千円札と1万円札を間違えたり、おつりを取り忘れたりすることがないのがとても楽です。
ニムラ :私はいろいろ持ってる。SuicaにAkiCAにPayPay。でも、使うのは、ほとんどPayPayかな。
チューモくん:どうしてですか?
ニムラ :だって、PayPayはポイントが付くから。それと、銀行口座と連携してすぐに入金できるから使いやすいのよ。Suicaは乗り物用。電車関係だけで使ってる。AkiCAは、バスの障害者割引が使えるから。
チューモくん:ヨツヤさんも何か使っていますか?
ヨツヤ :私はWAONだね。ポイントが付くし、小銭が要らないから。
ミヨシ :小銭を探さなくていいのは楽ですよね。
チューモくん:なるほど、キャッシュレス決済を使う理由は、現金のやりとり、特に小銭のやりとりがないのが一番のポイントなんでしょうかね?
ヨツヤ :そうそう、後ろにお客さんが並んでいるときなんか、小銭を探していると申し訳なくなってくることがあるから。
チューモくん:ありがとうございました。
また話を聞かせてください。次は、セルフレジの話などはどうでしょう? では、キャッシュレス決済について、3人の話に他の情報も加えて整理します。
キャッシュレス決済は大きく分けて4種類あります。
1.交通系:電車やバスなどで利用するように作られたICカードです。ミヨシさんが使っているモバイルSuicaは、Suicaの機能をスマートフォンに組み込んだものです。どちらもスーパー、コンビニなどでの買い物にも対応しています。
(注:AkiCAは、秋田市と秋田中央交通が、2022年3月からサービスを始めた地域連携ICカードです。他の交通系カードと同じ使い方ができますが、秋田中央交通独自の1日乗り放題券などのサービスの利用もできます。障害者割引用のカードもあり、今後、高齢者コインバス事業専用のカードも作られる予定です)
2.流通系:スーパーやコンビニなどで利用できるように作られたICカードです。買い物ができるだけでなく、ポイントが付き、ポイントを貯めると加盟店舗での支払いに利用できます。ヨツヤさんが使っているWAONなどがこのタイプです。
3.クレジットカード系:電子マネーとクレジットカードを連携させて利用するものです。クレジットカードを連携させて利用するので、現金をチャージする必要がありません。買い物をすると、後日、電子マネーと紐付いているクレジットカードから請求される仕組みです。今回の座談会では使っている人がいませんでしたが、iDなどでそのタイプがあります。
4.QRコード決済系:スマートフォンのアプリにあるQRコードを読み取って支払いをします。スマートフォンとクレジットカードや銀行口座などと連携するだけでなく、現金チャージも可能です。ニムラさんは、銀行口座と連携させていましたね。○○ペイという名称のものが多いです。買い物するとポイントも付きます。
お札の間違いや小銭の出し入れの煩わしさから解放されるキャッシュレス決済。みなさんも、普段の生活スタイルを考えて、一番使いやすい方法で利用してみてはいかがでしょうか。
(2025年7月29日 再掲載)