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令和8年度 クローバー2号


体験を通して学びを深めるために

視覚障害のある児童生徒は、日常生活の中で周囲の様子や他者の行動を見て学ぶ機会が限られるため、体験が不足しがちです。そのため、さまざまな機会を通して体験の幅を広げることが大切になります。また、体験を豊かな学びにつなげるためには、全体像を把握できること、身体全体を使うこと、視覚以外の感覚を十分に活用することが重要です。さらに、概念やイメージの形成の基礎となり、新たな理解へとつながる「核となる体験」を積み重ねることも欠かせません。本校では、こうした視点を大切にしながら、児童生徒の豊かな学びにつながる活動を行っています。以下に、その一部を紹介します。

●バス乗車体験学習

毎年春に、秋田中央交通の協力をいただき、学校敷地内で路線バスの乗車体験学習を実施しています。今年度の様子を紹介します。
バス全体や車内を触察して大きさや構造を確認したり、学校敷地内を公道に見立てて、バス停での乗降や料金の支払い、白杖操作を体験したりしました。
新年度の早い時期に実施することで、児童生徒の実態把握や今後の学習課題が明確になり、その後の校外学習や単独帰省に向けた取組につながっています。

●防災キャンプ(令和7年度)・防災デイキャンプ(令和8年度)

小・中学部では、防災教育の一環として令和7年度に防災キャンプを実施しました。
「避難所設置体験」では、体育館を避難所に見立て、マットなどの資源を活用してテントを設営し、実際に宿泊しました。「災害調理体験」では、ポリ袋を使った湯煎調理に取り組みました。また、「水害体験」では、プールを浸水した道路に見立て、アイマスクを装着して歩行することで、災害時の移動の困難さを体験しました。
令和8年度は、前年度の学びを生かした防災デイキャンプを保護者参加で実施しました。児童生徒がテント設営や湯煎調理の方法を保護者に伝え、親子で災害時の行動について考える機会となりました。

●「すがたをかえる大豆」体験学習(令和7年度サマースクール) 

大豆に焦点を当てた体験活動を行いました。
「大豆の七変化」と題し、大豆を原料とした食品を当てる触察クイズや、きなこ作り、きなこを使った簡単調理(きなこ蒸しパン、ブロッコリーのきなこマヨ和え)に取り組みました。農業科学館の職員の方にも協力いただき、大豆がさまざまな食品へ変化する過程を体験しました。 
これまでの栽培の経験や、国語「すがたをかえる大豆」で学習していたことについて、実体験を通して理解を深め、「変化する楽しさ」を実感する姿が見られました。

参考文献

  • 「視覚障害指導法の理論と実際 -特別支援教育における視覚障害教育の専門性-」 ジアース教育新社 鳥山由子 編著(2017)
  • 「五訂版 視覚障害教育に携わる方のために」 慶應義塾大学 香川邦生 編著(2020)
  • 「新・視覚障害教育入門」 青柳まゆみ・鳥山由子 編著(2022)

(文責:加藤しお子)

入試に関する配慮事項

障害のある受験生に対する合理的配慮が広く認められるようになり、試験内容や実施方法について柔軟な対応が可能となっています。一方で、配慮の申請には一定の手続きが必要であり、準備にも時間を要します。
特に大学入学共通テストの合理的配慮の申請は、夏前から準備を始める必要があります。そのため、進路がまだ明確に決まっていない場合でも、早めに相談だけでもしておくことをお勧めします。

令和9年度大学入学共通テストで行われる受験上の配慮事項

①受験上の配慮案内で情報収集(6月下旬公開済み)

大学入試センターのウェブサイトで、受験上の配慮に関する案内や、診断書・状況報告書の様式を確認しましょう。提出書類の確認や作成には時間を要する場合がありますので、在籍校に早めに相談することをお勧めします。
参考:令和9年度 受験上の配慮案内(PDF形式) | 独立行政法人 大学入試センター 

https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r9/r9_hairyo.html

★視覚支援に関する主な配慮事項

【「解答方法」や「試験時間」に関する配慮】

受験者の障害の状態に応じて、次のような配慮を申請することができます。

  • 点字による解答(点字問題冊子の配付、試験時間の延長1.5倍、別室)
  • 拡大文字問題冊子の配付(14ポイント・22ポイント)
  • 文字による解答(試験時間の延長1.3倍)
  • UDブラウザの使用(ただし、高校等での使用実績の申請受理があった場合)

※UDブラウザの」使用実績:一定期間の使用実績の申請(受験する年の夏以降などの短期間では使用実績と認められない場合が多い)


【「座席」や「試験環境」に関する配慮】
  • 窓側など、明るさに配慮した座席の指定
  • 照明器具の使用や配置の調整
  • 受験者の見え方や特性に応じた試験環境の整備
【「持参・使用するもの」に関する配慮】
  • 照明器具、拡大鏡等の持参および使用

②申請期間

第1期 7月1日(水曜日)~8月28日(金曜日)必着

※9月24日まで審査結果を通知【できるだけこの期間に申請をするとよい】

第2期 8月31日(月曜日)~10月2日(金曜日)必着 または9月30日消印有効

※11月下旬に審査結果を通知

総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜のいずれにおいても、面接や書類提出*1に際して配慮が必要な場合は、大学へ事前に相談することが重要です。合理的配慮は、大学や試験主催者に申請し、受験生の状況を踏まえたうえで協議により決定されます。大学の体制や試験の公正性を考慮し、妥当な範囲で調整が行われます。そのため、すべての希望が必ずしも認められるとは限りません。
また、合理的配慮は受験生を有利にするためのものではなく、あくまで平等な受験機会を保障するための手段です。

*1:入試における書類提出に関して~診断書や意見書等の準備に時間がかかるケースもあります。

自分の力を発揮できるよう、「早めに知り、動く」ことを大切にし、準備を整えていきましょう。

お問い合わせ

秋田県立視覚支援学校 ロービジョン支援センターへご連絡ください。

相談支援担当  

近江龍静(おおみ りゅうせい)教頭、銭谷寿(ぜにや ひとし)、畠山尚子(はたけやま なおこ)、加藤しお子(かとう しおこ)、藤田由樹(ふじた ゆき)

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