アプリの話~わかルーム~
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
このシリーズでは、視覚障害者にも使いやすいスマホアプリの話を紹介していきます。
今回紹介するのは、部屋名通知アプリ「わかルーム」です。
<テクたまごについて>
このアプリを開発したのは、NPO法人テクたまごです。
テクたまごは、全国の盲学校・視覚特別支援学校で学ぶ視覚障害児向けの教材を、現場教師の意見を基に開発し、盲学校へ寄贈する活動をしているNPO法人です。
熊本大学の技術職員であった須惠耕二氏、元熊本県立盲学校長の菊池きよ子氏と元小学校教諭の高浜保昭氏らが立ち上げました。
2025年4月から、菊池きよ子氏が理事長となり、副理事長は高浜保昭氏、初代理事長の須惠耕二氏は顧問となりました。
本校でも、過去に、おしゃべり6ピン点字器「ぴん六」、おしゃべり点字タイプ、ピン式平面作図器「ぴん作」を寄贈していただきました。
<アプリの概要>
App Store にて無料公開されている、iPhone用のアプリです。
盲学校に入学する視覚障がい児が、教室の配置を早く楽しく覚えられるように開発されました。
一言で言えば、教室入り口のそばにICカード付シートを貼って、iPhoneをかざすと音声で教室名を教えてくれる、音声ガイドアプリです。
元々は、首下げ式の音声通知器として開発されたものですが、主要部品がメーカー製造中止になったため、スマホアプリとして再開発されました。
<使い方(登録)>
(1)アプリにICカードを登録する
(2)名前をつける
(3)読ませたい文章を編集して保存する
(4)カードを所定の場所に掲示する
(5)データファイルをAirDrop やメール等でシェアする
<使い方(読み取り)>
(1)アプリを「よみとりモード」にして「よみとる」のボタンをタップする
(2)ICカードにかざす
(3)スキャンが成功すると、案内音声が流れ、案内画面にテキストが表示される
<部屋の案内以外にも>
ICカードに登録したデータを読ませるアプリですので、部屋の案内以外の場面でも活用方法は考えられます。
本校では、2025年度の秋盲祭で、点字誕生200年を記念して設けた点字関係機器の展示室で、各機器の音声解説用として使用しました。
(写真 スマホで音声解説を読んでいる)
このほかにも、練習モード(自分が行きたい教室まで行って確かめるモード)を使って、オリエンテーリング的な活用もできそうです。
(2025年11月10日 初掲載)