クイックロービジョンケア~靴下の洗濯~
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
このシリーズでは、本校の相談支援活動でよく耳にする、生活上の不便さに関する話題から、対応策を紹介して喜んでいただけたものを紹介していきます。
靴下を洗濯したあとで、ペアにして干すのが大変なことはありませんか?
見えている人でも片方が行方不明になることがありますが、見えにくい・見えない人の場合は、色合いが似たものの区別がつきにくかったり、同じデザインの色違いは触っても分からなかったりと、ペアを揃えることに苦労しているという話を聞きます。
そんなときは、靴下用のクリップを使ってみてはどうでしょうか。
靴下を脱いだら、脱衣かごに入れる前にクリップで留めておきます。
そのまま洗濯機に入れ、そのまま干し、そのままタンスに収納。すると、次に靴下を履くときには、ペアのままになっています。
このような商品が、20年ほど前から見られるようになりました。
初めは輸入雑貨だけでしたが、次第に百円ショップなどでも見かけるようになり、今では、様々な種類が出回っているようです。
靴下用洗濯ばさみ、靴下クリップ、靴下ピンチなどの名称で検索すると、いろいろヒットします。大きさや価格もそれぞれですので、比較しながら選んでみてください。
(写真は、本校職員が購入した一例です)
視覚障害者用に開発された高価な支援機器でなくても、自分にとって使いやすい道具を探すと、生活の中のちょっとした困りごとを解決することができます。
このような、ちょっとした工夫で見えにくい方の生活を改善できるようなアドバイスを行うことを「クイックロービジョンケア」といいます。
文房具の紹介の際もお伝えしているように、弱視の人は、それぞれ見え方が違うので、「絶対にこれが一番」というものはありません。紹介した商品を参考にしながら、自分にとって使いやすいものを探してみてください。
(2025年10月09日 初掲載)