視覚障害者の生活 あしらせ
(2023年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
今回は、スマートフォンアプリと靴につける振動インターフェースで視覚障害者の歩行を支える補助具について紹介します。
チューモくん:ニムラさんは、何か新しい補助具を手に入れたらしいですね。
ニムラ:そう、クラウドファンディングで、「あしらせ」の先行販売モデルを買ったの。
チューモくん:「あしらせ」って、どういうものですか?。
ニムラ:こういう小さな万歩計くらいのサイズのデバイスを左右両方の靴に取り付けて使うの。(写真)
チューモくん:マラソン大会の時に靴に付けるマーカーのようですが、両足に付けるんですね。
ニムラ:そう。スマホで行き先を設定すると、右に曲がるときは右足側が、左に曲がるときは左足側が震えて、道案内してくれるんだよ。
チューモくん:行き先の設定は、スマホで行って、案内は、画像や音声ではなくて、足からの振動で教えてもらえるということですか?
ニムラ:そうそう。だから、今までのナビアプリのようにスマホを手に持っていなくてもいいから、すごく楽。私の場合、手に持っていても、ものすごく近付けないと見えないから、画面を見ながら歩くことはできないし、ガヤガヤしているところは音声も聞き取りづらいから、これは便利。アプリの中に、よく行く場所を何箇所も登録してあるよ。
チューモくん:なるほど。移動中にスマホを確認しなくてよいなら、両手が空くし、視覚や聴覚を使わなくてもすむから、周辺の情報を得るのも楽になりますね。ところで、これは、どれくらいのお値段なんですか?
ニムラ:定価は79,800円。それから、利用には月々980円かかります。
チューモくん:やはり、結構かかりますね。でも、これまでにない方法で、安全に歩くということを考えると、そういうものかもしれませんね。
ニムラ:私は、結構納得しています。
チューモくん:最新機器を見せていただき、ありがとうございました。
あしらせは、本田技研工業が2017年より実施している新事業創出プログラム「IGNITION(イグニッション)」から生まれた初のベンチャー企業「Ashirase(アシラセ)」で開発されました。
靴に装着する器具の振動とスマホアプリで単独歩行を支援する歩行ナビです。2つ一組のデバイスを、靴の両側面に差し込んで使います。
スマートフォンで行き先を設定すると、左に曲がるときは左足の外側に取り付けた器具が振動。曲がり角に近づくとテンポが変わり、その間隔が短くなるといった具合に、音声ではなく、足からの振動で情報を教えてくれます。
様々な靴に取り付けることができ、付けたままで靴を脱ぎ履きできるところも使いやすいポイントです。
ナビゲーションのルート通知中に足をトントンすると、方角を確認できる機能もあります。
(2025年9月16日 再掲載)