110周年・もの ~エレファックス~
(2022年 初掲載)
秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。
秋田県立視覚支援学校は、令和4年度で創立110周年。
今回は、昔使われていた教材教具を紹介します。
エレファックスというのは、1962年に開発された電子拡大複写装置で、文部省では1967年から3か年計画で全国の盲学校に配置しました。本校には1969年10月に導入されました。
1963年に始まった弱視教育において、拡大教材の作成に使用されたものです。 1980年代半ばから拡大・縮小コピー機が普及したので、活躍の場が消えていきました。
本校の「七十年史」の中の「第七章 充実への努力四十年代 二、弱視教育への努力 (三)拡大図書作成の努力」によると、
普通文字を一回で一・四倍拡大でき、それをくり返すこともでき、印刷も可能である。オフセット印刷の原理で、できたものに手をふれても汚れない。弱視教育にとっては革命的な教育機材である。ただ、難を言うと印刷面において熟練を要するという事がある。
というものだったようです。
残念ながら、本校には、導入の記録はありますが、エレファックス本体やそれを使っている写真は残っていません。
しかし、現校舎に移転前の土崎校舎の印刷室に未開封のエレファックスの現像液の缶が1つ残っていました。
幸いなことに、かがやきの丘に移転の際にも捨てられず、今も保存しています。
テープで封をされたままで、振ると固い音がするので、「液」とはいいながら、すっかり固体になっているようです。本体は残っていないので、かつて本校の弱視教育を支えた、重要な証人として、今後も残していきます。
<参考資料>
- 「七十年史」秋田県立盲学校(1982年)
(2025年6月27日 再掲載)