エンターキーを押すと、ナビゲーション部分をスキップし本文へ移動します。

ここから本文です。

110周年・もの フェルステル視野計

(2022年 初掲載)

秋田県立視覚支援学校オリジナルキャラクターのチューモくんです。
「チューモくん日記」では、本校やその周辺のことについて語っていきます。

秋田県立視覚支援学校は、令和4年度で創立110周年。
今回は、昔使われていた検査器具「フェルステル視野計」を紹介します。

本校保健室で長年眠っていた、フェルステル視野計は、1973年(昭和48年)の購入とありました。購入された経緯は伝わっていません。

検査方法
1.検査しない方の目を塞ぎ、検査台に顎を載せます。
2.顎を載せる台に付いている、白い球を目の下の頬骨に当て、顔が前後に動かないようにします。
3.中華鍋のような中心部の円の外側に飛び出た2本のアームを、測定する方向(左右、上下、斜め)にセットし、アームの外側から指標を静かに内側に移動させます。
4.被験者は、中心の白い点を注視したまま、内側に向かって動いてくる指標が見えたら申告します。
5.検査者は、視野計に刻まれた角度を検査用紙に記入します。検査用紙に記入した、上下左右、右上、右下、左上、左下の点をつなぐと、被験者のおおよその視野が分かります。
しかし、この方法では、被験者の正面から目の動きをチェックすることができないので、本当に中心の点を注視しているのか、眼球を指標の方へ動かして見てしまったのかはっきりしません。
アナログな検査器具なので、被験者が見えたことに気付いて「はい」と申告し、検査者がその声に反応して手を止め角度をチェックするタイミングのずれなどを考えると、正確さに欠ける部分もあります。

現在、身体障害者認定基準に使われるのは、ゴールドマン型視野計と自動視野計の、どちらも機械的に操作するもの2種類で、このフェルステル視野計は使われていません。
本校でも長らく使われておらず、廃棄することになりましたが、せっかくなので、職員有志で研修会を開きました。
学生時代の演習で体験したことがある職員もいましたが、ほとんどの職員は、初めて見るものでした。
研修会では、本校所属の視能訓練士(ORT)が講師となり、フェルステル視野計を使った視野検査の演習を行ったり、ゴールドマン型視野計と自動視野計の違いについて話を聞いたりしました。

現在は使われることのなくなった視野計ですが、どれくらいの範囲が見えているのか、マリオット盲点の範囲はこれくらいなのか、と、ダイレクトに感じることができ、有意義な時間になりました。

(2025年6月19日 再掲載)

本文はここまでです。エンターキーを押すと、本文の先頭へ移動します。
ページの先頭に戻る