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六点鐘 210号

2025年3月6日

今年度を振り返り思うこと

校長 渡部 透
「いつものように1人か2人で行くのとちがって今回は、たくさんの友だちと校外学習に行ったからにぎやかで楽しかったです。ほかの友だちのしつ問も聞けて勉強になりました。」 

これは小学部3年生の児童が書いた感想文の1部です。これまでも地域の小学校の授業に参加していますが、この日は校外学習に参加しました。この感想文中の「にぎやかで楽しかったです。」という部分がとてもいいなあと感じました。小学三年生という学年、子どもたちをワクワクさせる校外での学習活動。この2つの要素だけでも活動中の「にぎやかさ」が想像できます。大人は騒々しいと感じる状況かもしれませんが、この児童は「にぎやかで楽しい」時間と感じました。大勢の友だちとの活動、たくさんの発言が飛び交う状況は不慣れだと思いますが、その時間を楽しめたこと、それを素直に表現できたことがとてもうれしいです。そして、もう一つ「友だちのしつ問を聞けて勉強になりました。」という箇所は、これこそ教育的に満点が付く感想です。「交流及び共同学習」は集団での学びを体験できる大切な機会です。

さて、もうすぐ令和6年度が終わります。本校が主管する対外的な大きな行事がなかった本年度は、校内での学習活動にじっくりと取り組むことができました。新型コロナウイルス感染症による活動制限が取り払われてから1年ほどが過ぎ、校外学習や交流活動を積極的に実施したり、新たな啓発活動を試みたりすることもできました。また、コロナ禍で急速に進展したICT機器は特別な道具ではなく、日常的に活用される学習手段の4つとして定着してきています。

学校は、社会状況の変化に伴う様々な課題にその都度柔軟に対応していかなければなりません。多様な学び方がある現在ですが、どのような状況にあっても、教師と児童生徒、児童生徒同士が直接的に関わり合いをもち、様々な経験を通して学ぶ場であるという、学校本来の機能を高める取組が大切であると考えます。

最後に4年生の児童が書いた楽しい詩を紹介します。
「かたづムリ」
かたつむりは
レタスをたべる
かたつむりは
コンクリートも食べる
かたつむりは すごいなあ
かたつむりの
からだと からは
どうやって
くっついているの
かたつむりは じぶんで
うんこをかたづけない
かたつむりは
かたづけるのが ムリ
今春で役職退職となり、資料や書類の整理や廃棄などをしていますが、なかなか進まない私も、「かたづムリ」。

ご卒業・修了おめでとうございます

小学部

「小学部の思い出」 鈴木 愛菜

小学部の楽しかった1番の思い出は、修学旅行です。新幹線に乗って岩手県に行きました。網張温泉で食べた「茶碗蒸しの“いい銀杏”」が美味しかったです。

私の好きな食べ物に、「チーズじゃり豆」があります。豆が好きなので、生活単元学習で豆を育てました。小豆の甘納豆、大豆や落花生の炒り豆を作ったら友達も美味しいと喜んでくれました。生単の豆の勉強も終われて嬉しかったです。他にも秋盲祭、運動会、わくわくShow timeなど、友達と一緒に練習を頑張ったことも楽しい思い出です。そして、肩もみも、先生たちが喜んでくれるので楽しい思い出です。

中学部でも楽しい思い出を作りたいです。

「卒業おめでとう」 鈴木 恵美(鈴木 愛菜さんの保護者)

小学部卒業おめでとうございます。ランドセルは背負えるの?椅子には座れるのかな?と心配していた6年前。先生やお友達などたくさんの味方に恵まれた愛菜は一歩一歩進み、新幹線に乗って修学旅行に行くことができるまでに成長しましたね!驚きと喜びを感じています。

4月からは中学生活が始まります。不安もあると思いますが、また一歩ずつ進んでいけるよう私も応援しています!

先生方、在校生の皆さん、ありがとうございました。

中学部

「三年生の思い出」 吉田 咲良 

今年、私がチャレンジしたことは3つあります。

1つ目は東北地区盲学校文化・体育大会です。中学部女子のジャベリックスロー競技で1位になり、とてもうれしかったです。

2つ目は秋盲祭です。今年は小・中学部の最上級生として、劇の中心になる役を頑張りたいと思っていました。私は女王様の役を演じ、女王様らしく大きな声で話すことを頑張りました。

3つ目は修学旅行です。小学部のときはコロナ禍で遠出の修学旅行ができなかったので、とても楽しみにしていました。家族旅行で飛行機に乗って東京に行ったことはありましたが、修学旅行は特別な楽しさがありました。

中学部を卒業しても、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思います。    

「卒業おめでとう」 吉田 良子(吉田 咲良さんの保護者)

中学部卒業おめでとう。

この3年間は体調不良や大きな手術もあり、思うように登校できなかった日が多かったけれども、そんな中でも目標を決め自分の役割をこなしていましたね。成長を感じることもたくさんあり嬉しく思います。

春から新生活が始まります。咲良らしく「好きなこと」を楽しんでください。応援しています!

加藤先生、坂本先生にはいつも寄り添っていただき、本当にありがとうございました。

高等部普通科

「学校生活の思い出」 鈴木 悠人

白神山地への宿泊学習は、高等部1年時と3年時の2回行いました。美しい自然を五感で楽しむことができました。

大阪、京都への修学旅行では、清水寺や海遊館を訪れ、秋田では感じることのない暑さも経験しました。

3メートル級のケーキのオブジェを作った110周年式典や、実行委員長の仕事、大森太鼓の演奏と充実感を味わった最後の秋盲祭など、14年間の思い出はすべてかけがえのないものです。

共に学んだ先輩や後輩、支えてくれた家族や先生方、全ての方々に感謝し、ここで学んだことを胸に未来へ進んでいきます。

「悠人へ」 鈴木 由貴子(鈴木 悠人さんの保護者)

卒業を迎えるにあたり、母が言うまでもなく悠人自身も感じていると思いますが、幼稚部から長きにわたりお世話になった視覚支援学校で、関わってくださったたくさんの先生方や生徒の皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいですね。

卒業後は、自分の判断や力が試されることが多くなります。気持ちが沈みがちなときは、今までどおり家族や友だちを頼ってください。根が明るいので大丈夫。悠人は、自分が思うよりも面白く、周りがハッとするような感性をもっていることが強みだと思います。

自分を信じて、なりたい自分を目指し、気を張らず、さらっと進んでいきましょう。

改めて、卒業おめでとう!これからも一緒に人生を楽しもう!

高等部専攻科保健理療科

「修了にあたって」 谷田部 隆一

長年勤めていた会社を退職し、3年前に理療という新たな道を歩むことを決意しました。

ヘレン・ケラーが来校した歴史ある学校で学び、在学中には創立110周年記念式典や全国盲学校弁論大会などの貴重な行事に参加する機会を得ました。その空間に身を置くことで、歴史の重みを実感し、深い感慨を覚えました。理療科で学んだ知識を、これからの人生において最大限に生かしていきたいと考えています。

先生方、在校生の皆さん、そして学校関係者の皆様、3年間本当にありがとうございました。

「新しい旅立ちへ向かって」 担任 水谷 亨、小松 由佳

修了おめでとうございます。

谷田部さんにとって、この3年間はどのような時間だったでしょうか。国家資格を取得するために、覚えることが多く、毎日の勉強がとても大変だったと思います。それでも、自分なりに考え、一歩一歩着実に努力を重ねる姿や、周囲への気配り、面倒見の良さがとても印象的でした。

ここで学んだ経験を生かし、健康に十分気を付けながら、新たな人生を力強く歩んでください。3年間、本当にお疲れさまでした。

高等部専攻科理療科

「そして、卒業へ」 佐藤 健一

3年間を振り返ると、1年生のときに東北地区盲学校文化・体育大会のリレー競技で全国1位の記録を出したことや、実技や勉強に戸惑った日々など、数多くの思い出が浮かびます。充実した学校生活を送ることができました。

新しい環境でも、感謝の気持ちと向上心をもち、努力を重ねていきます。本当にありがとうございました。

「一つひとつ積み重ね」 担任 河嶋 真、佐々木 道吉

修了おめでとうございます。そして、3年間お疲れさまでした。

健一さんは、常に自身の課題を見つけ、地道に解決しようと努力していました。特に、試験対策を数か月前から計画し、日々学習に取り組む姿は非常に印象的でした。

これからもさまざまな課題に直面することと思いますが、3年間で培った力を信じ、一つひとつに真摯に向き合い、地道に解決策を模索していってください。健一さんの未来が素晴らしいものとなることを心から願っています。

高等部専攻科生活情報科

「13年ぶりの学校生活」 佐藤 祥太郎

久しぶりに学校に通ってみて、不安もありましたが楽しく通えました。
歩行などを安全に学べたのも、先生たちが周りに目を配り安全を確保してくれていたからです。そのおかげで、地元を歩けるようになりました。

また、生徒のみなさんたちと共に過ごすことで、人と関わる楽しさを感じることができました。学校で学んだことを、日常生活でもしっかり生かせるように意識して過ごそうと思います。

1年間、ありがとうございました。

「明るい未来へ」 担任 佐藤 響子、今井 理

常に穏やかで優しく、誰に対しても丁寧に接する祥太郎さん。   

学習になると驚くほどの集中力を発揮し、まるでスポンジのように知識を吸収しました。暑い日も雪の日も歩行練習を重ね、ついに単独で帰省できるようになりました。その陰には、時間を見つけては復習を重ねる努力がありました。

これまでの学習で得たことを糧にし、明るい未来に向かって次のステージでも頑張ってください。応援しています。  

学習の様子

かがやきの丘ワークショップ 「キンビアート~粘土と友達!粘土で友達!~」 12月10日

聴覚支援学校の美術室・作業室を会場に行われた「かがやきの丘障害理解研修会ワークショップ」に、小・中学部の児童生徒五名が参加しました。聴覚支援学校や秋田きらり支援学校の児童生徒、そして一般参加の方とグループを作り、粘土を使った造形活動に取り組みました。

グループごとに20キロの粘土を渡され、「大きい!」「すごい!」と大興奮。グループのメンバーと協力しながら、粘土を切り分けたり、丸めたり、テーマを決めて形づくりをしたりして、共同作品を作り上げました。みんなで楽しいひとときを過ごしました。(加藤 しお子)

わくわくshow time 「オンラインで初発信!~視覚支援の音楽劇~」 12月11日

特別支援学校文化連盟主催のオンラインコンサート「わくわくShow time」で、昨年度の秋盲祭で発表した小・中学部の音楽劇「パーセルの旅~みんなちがってみんないい」を発表しました。当日、会議室で鑑賞した児童たちは、映像編集された劇を見て「懐かしい!」「ナレーションがBGMや写真と一緒になっている」と、昨年の成果を再び楽しんでいました。

また、今年は中学部1年の生徒が全体活動の「ツバメ」ダンスを、配信本部に出向いて他校の生徒たちと一緒に踊るなど、新鮮な交流体験ができました。

他校の方々から「すごく良かった!」という声を掛けられ、毎年音楽劇に並々ならぬ意欲を燃やしてきた子どもたちは、オンラインで発信できたことに喜びを感じたことでしょう。少人数でも、いつも堂々と歌い演じる粒ぞろいの精鋭たちに、心から拍手を送ります。(武田 幸美) 

スケート教室 「冬のスポーツを楽しむ」 1月24日  

スケート教室では、小・中学部の児童生徒が1年ぶりにスケート靴を履き、氷の上と地面との違いを感じながら活動しました。

講師の方からは、滑るときの姿勢や体の動かし方についてのアドバイスをいただきました。最初は補助具を使って練習しましたが、次第に上達し、補助具なしでスケートリンクを一周できるようになった児童もいました。

参加した児童生徒からは「楽しかった」「また来年も挑戦したい」という声が上がり、冬のスポーツの楽しさを実感する機会となりました。(永井 涼太)

高等部進路学習会 「訪問マッサージについて学ぶ」 12月20日

フレアス在宅マッサージ秋田所長の青木薫様を講師にお招きし、高等部後期進路学習会を実施しました。在宅マッサージについての知識を深めることで、進路に関する見識を広げることを目的に、「訪問マッサージ事業所の現状と今後について」というテーマでご講演いただきました。

生徒からの質問にも一つひとつ丁寧にお答えいただき、訪問マッサージの現状や課題について、学校の授業では得がたい貴重な情報を知る機会となりました。(今井 理)

保健理療科・理療科臨床体験発表会 「臨床で得た学びと成長」12月11日

高等部専攻科保健理療科・理療科3年生の2名の生徒が校内臨床実習での成果を発表しました。1人は「関節モビリゼーションを試みて」というテーマで、施術の効果と症状の変化を報告し、もう1人は「東洋医学からみた腰痛と随伴症状の治療について」というテーマで、問診票や経穴を用いた治療について発表しました。

質疑応答では、後輩の質問に真摯に答える2人の姿が印象的でした。「理療師の心得を大切にし、信頼される理療師を目指したい」といった感想も聞かれ、生徒たちの成長と意欲が感じられる発表会となりました。(下地 利秀)               

寄宿舎 「自分のため みんなのために」 1月16日

3学期の生活目標「感染症予防に努めよう」に合わせて、加藤葉子養護教諭を講師に招き、正しい手の洗い方について講話していただきました。

汚れが残りやすい箇所が触って分かる手袋をはめたり、ブラックライトを当てて洗い残しを光で可視化したりすることで、正しい手の洗い方を再確認する機会になりました。

これからも安心安全な寄宿舎生活のために、みんなで衛生的な習慣を大事にし、感染症リスクの軽減に努めていきたいと思います。(加藤 郁恵)

輝石

「ありがとうございました」 京屋 敦

視覚支援学校には、通算21年間お世話になりました。振り返ると、鐘を鳴らしながら走った運動会、象潟の海へ出かけた野外活動、秋盲祭のステージ発表(出演したこともありました)、それぞれの学部での修学旅行、休み時間には他学部を巻き込んで様々な遊びを楽しんだことなど、数えきれない思い出がよみがえります。何気ない日々のおしゃべり、そして懐かしい土崎校舎。たくさんの思い出が胸にあふれています。

皆様に支えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。この先も、視覚支援学校に「光あれ」と願っております。

「たからもの」 銭谷 寿

36年間の教員生活のうち、盲学校・視覚支援学校に3度、計17年間勤務しました。他の学校で数年勤務し戻ってくるたびに、支援制度や補助具など視覚障害者を取り巻く環境が大きく変わっており、追いつくために常に学びの日々でした。そのおかげで、さまざまな分野の方々と知り合うことができたことが、私の人生の宝物だと思っています。

「視覚障害の専門家」への道は、まだまだ遠いですが、少しでも誰かの役に立てるよう、これからもアンテナを高くしていきたいと思います。

「大切な出会い」 仲澤 美香子 

学生の頃、学校の授業で視覚支援学校の旧土崎校舎を訪れました。隣接する点字図書館で点字を教えていただき、初めて使う点字盤で「あ、い、う・・」と打ち込んだのを覚えています。それから30数年の時を経て、本校でこの節目を迎えたことを嬉しく思います。改めて点字を1から学ぶことは容易ではありませんでしたが、点字や白杖、視覚補助具など、努力して学ぶ皆さんに出会い、その姿に励まされ、ここまで続けることができました。保護者の皆様、先生方にも支えていただきました。ありがとうございました。

寄贈

ご寄贈ありがとうございました。
ヘルニア病態模型・電気温灸器:二田 富義様より
菓子:桑原電設様より
絵本:点訳・音訳集団「一歩の会」様より
カレンダー:ABS秋田放送様より、株式会社佐藤商事三菱製紙様より、株式会社ゼネラルアサヒ様より、秋田県網膜色素変性症協会JRPS秋田様より、藤枝順心高校インターアクトクラブ様より
点字ブロック理解啓発ポスター:秋田山王ライオンズクラブ様より

後援会便り

後援会費を納入いただきありがとうございました。
加賀屋 信二・神 美穂子・渡部 麗子
注:順不同、敬称略
1月末の入金分まで記載

栄光の記録

特別支援学校文化連盟わくわく美術展

絵画作品部門 佳作 鎌田 夏帆
自由作品部門 入選 小学部3~5年
自由作品部門 佳作 高等部普通科1~3年

日本情報処理検定協会

情報処理技能検定試験
表計算3級合格 鈴木 悠人
ワープロ検定3級合格 鈴木 萌那

第29回 全国特別支援学校文化祭

書道部門 優秀賞 佐藤 祥太郎

第31回 全国盲学校通信陸上競技大会

中学部女子・区分二 ジャベリックスロー 第2位 吉田 咲良
高等部女子・区分一 100m 第1位 鈴木 稟々果
高等部女子・区分一 100m円周走 第2位 鈴木 稟々果
高等部男子・区分一 100m 第2位 佐藤 祥太郎
高等部男子・区分二 走り高跳び 第3位 三浦 平

ご紹介 

NHK秋田放送局のHP内「WEBこまち」に、「『見えない』雪道を歩くとは?」という記事が掲載されています。本校生活情報科の生徒と歩行指導員への取材に基づくものですので、ぜひご覧ください。

令和7年度夏季休業までの主な行事予定

4月

4日(金曜日)前学期始業式
10日(木曜日)入学式
11日(金曜日)新入生歓迎会
29日(火曜日)PTA・後援会総会

5月

23日(金曜日)運動会
29日(木曜日)校内弁論大会

7月

19日(土曜日)全校集会(夏季休業前)

編集後記

鳥のさえずり、暖かな春の日差し。仲間と力を合わせて取り組んできた数々のチャレンジが花開く3月。別れと出会いの季節。6名の仲間の晴れやかな門出。環境は変わっても、前に進む気持ちを忘れずに。新たなスタートの始まりです!(畠山 尚子)

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