2号(修学旅行・宿泊学習に向けての配慮、進路情報など)
2025年7月15日
発行:きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
「センター的機能による切れ目ない支援を」特別支援教育アドバイザー新井敏彦
学校教育の指針では、特別支援教育の充実のためには、切れ目ない支援が重要であると示されています。また、本校の教育プランでは、「センター的機能による切れ目ない支援」を目標の一つにしています。
私が若い頃、ある保護者から「担任の先生は、その年だけしかみないけど、親は一生子どもをみていく。」と言われ、教育の限界を感じたことがありました。しかし、現在は学校教育も大きく変わり、センター的機能が活用される時代になりました。本校には、きこえとことば支援センターが設置されており、子どもたちが幼児の段階から、小学校、中学校、高等学校と進んでも、ずっと継続して支援をしています。
新年度が始まって1か月以上が過ぎ、新しい学校に進んだ子どもたちもたくさんいます。多くの学校から、先生方のための難聴理解研修や、子どもたちのための難聴理解学習の依頼がありました。切れ目ない支援が行われるよう、本校のセンター的機能を活用していただきました。
これからも、きこえとことば支援センターは、聞こえにくい子どもたちやご家族を、担任の先生と共に支えるよき伴走者でありたいと思います。そして、できるだけ多くの学校とつながりたいと考えています。理解研修や理解学習が難しい場合は、在籍園・在籍校訪問で情報提供や支援することもできますので、お気軽にお声をかけてほしいと思っています。新しい学校でも、次の学年でも、子どもたちが充実した学校生活を送ることができるよう、きこえとことば支援センターをどうぞご利用ください。
第1回情報交換ルームを開催しました
難聴児童生徒担当者同士が気軽に情報交換をしたり、相談し合ったりする場として、今年度も「オンライン情報交換ルーム」の取組を始めています。4月18日(金曜日)の1回目には、小学校2校、中学校2校、高等学校1校の先生方に申込いただきました。先生方からは、難聴児との約2週間の学校生活の中で気付かれた「通常(交流)学級でのロジャーの効果的な使い方は?」「小・中学校卒業後の進路選択は?」「英語の発音の指導をどのように行うか?」等の悩みや課題が出され、本校や他難聴学級等の取組の工夫を紹介し合いました。
今年度も年3回の予定で開催いたしますので、是非ご参加ください。
今後の予定
- 第2回目10月2日(木曜日)午後15時45分から16時30分まで
- 第3回目1月13日(火曜日)午後13時30分から14時30分まで
でんでんくんの送付、掲載内容の希望から
今年度もたくさんのご回答ありがとうございました。掲載内容の希望として多かったのは、障害理解・受容、進路情報についてでした。デフリンピックで活躍するロールモデルや卒業生の進路状況や求人情報など、随時情報提供していきます。また、本校ホームページのきこえとことば支援センターのページにも「授業づくりチェック表」「聴覚障害支援ガイド」、各年齢段階での自立活動の実践例、ロジャーの使用方法等、様々な情報を掲載しておりますので、ご活用ください。
修学旅行・宿泊学習に向けての配慮
修学旅行や宿泊学習など、校外での活動や泊を伴う活動の際に配慮してほしいポイントとして、情報保障を中心に紹介します。なお、「補聴器や人工内耳の管理方法の確認や練習」「校外での情報保障」については、バックナンバー【R6でんでんくんNo.2】にも掲載しておりますので、併せてご覧ください。
(1)情報伝達の工夫
- 集合場所や時間の確認を明確に伝える。また、指示や伝達することは本人の近くで顔を見て話したり指さしをしたりする。
- 視覚的な情報(掲示物、指さし、配付資料、タブレットなど)を活用する。
(2)周囲とのコミュニケーションのサポート
- 同級生や班のメンバーに対して、配慮を具体的に伝える(話しかけるときは正面から話すなど)。
- あらかじめ支援が必要な場面を本人と話し合い、伝え方の工夫を決める。
(3)緊急時の対応
- 非常口や避難経路を確認する。
- 避難時の伝え方などを本人と話し合って決めておく。
本校卒業生の進路情報
本校高等部では、2年生から随時1、2週間の職場実習を重ね、適性を見極めながら進路を検討しています。この春卒業した生徒の進路先をご紹介します。
〈Aさん〉ユーティーケー工業(秋田県)で、 部品の製造や組み立てを行っています。
〈Bさん〉トヨタ自動車(愛知県) で、配属先の工場で塗装業務を行っています。
〈Cさん〉光風舎(秋田県)で、 病院内のレストランで調理補助を行っています。
〈Dさん〉トヨタ紡織(愛知県)で、 パソコンでの事務処理を行っています。
在籍校の先生方へ
愛知県の自動車製造メーカー各社より、聴覚障害をもつ生徒に向けて会社見学および職場体験の案内が本校に届いています。企業では様々な製造業務の他、事務系業務への受け入れも始まっています。関心がある方は聴覚支援学校までお問い合わせください。【進路担当:伊藤】
お知らせ
東京2025デフリンピック応援イベントinあきた
6月22日(日曜日)午前10時から午後15時まで
秋田市拠点センターアルヴェ1階きらめき広場
本校生徒による「秋田県民歌」手話パフォーマンス、デフアスリートによるトークショー、なまはげ太鼓など楽しいステージ企画やスタンプラリー等が予定されています。今年の11月にはじめて日本で開催されるデフリンピックを、秋田からも応援しようというイベントです。
難聴児童交流会・補聴相談会
7月12日(土曜日)に本校を会場に実施予定です。
詳しい内容や参加申込書については、6月に在籍校へ送付いたします。
手話学習会①
令和7年7月9日(水曜日)午後15時50分から16時30分まで
習熟度に応じて3グループに分かれて実施します。
参加希望の方は電話・FAX・メール等で「きこえとことば支援センター」までご連絡ください。
お問い合せ
きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
【直通携帯電話】090-8784-6302
〒010-1409 秋田市南ケ丘一丁目1番1号
【聴覚支援学校】
TEL:018-889-8572
FAX:018-889-8575
E-mail:chokaku-s_shien@akita-pref.ed.jp