3号(難聴児童交流会、ロールモデル紹介、進路決定に向けてなど)
2025年7月23日
発行:きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
『自分から学ぼうとする子どもを目指して』特別支援教育アドバイザー新井敏彦
難聴特別支援学級の授業を見せていただく機会がありました。どの先生も、子どもたちのために、聴覚障害に応じた指導を実践されていました。
通常の学級で学ぶ子どもたちも、自分から主体的に学ぼうとすることが大事です。難聴学級で学ぶ子どもたちが、交流学級で学ぶ際には、加えて前にいる先生をよく見る、しっかり聞くことが求められます。また分からない時は、分かったふりをしないで、先生や友達に自分からたずねることが大切です。
そのため、交流学級で支援する先生方は、あまり先回りをし過ぎることなく、子どもから求められたら教えてあげてほしいと思います。そして、子どもたちが、いつでも安心して話すことができる学級づくりが続けられることを願っています。
難聴児童生徒交流会を開催しました
7月12日(土)本校を会場に行われた交流会には、県内の小学校に通う児童11名とご家族、担任の先生3名が参加してくださいました。
受付や補聴器点検等を終えたあとは、手作りうちわコーナーへ。シールやテープで自分好みに装飾したうちわは、その後のレクリエーションでも使用しました。自己紹介や記念写真撮影時点ではまだ硬かった児童の表情もゲームが進むにつれて笑顔になり、チームで応援したり協力したりする姿が随所に見られました。「わりばしダーツ」「うちわバルーンテニス」「キャップカーリング」等、身近な材料でできるゲームは児童や担任の先生方から大好評でした。
保護者情報交換会では、聴覚障害をもつ職員から小・中学校時代の気持ちや家族とのかかわりについて体験談を聞き、その後保護者同士で子育てについての思いや悩みを語り合う時間となりました。
地域の学校では、聞こえづらさをもつ児童生徒の在籍が1名のみ、というケースが少なくありません。毎年恒例の交流会が、子どもたちやご家族の出会いの場となり、つながりが広がれば嬉しく思います。
【参加保護者の感想】(一部抜粋)
- 家庭での過ごし方、学校での過ごし方など大変参考になりました。
- 先生のお話、皆さんのお話、とても参考になりました。寄り添う姿勢大切ですね。
- 友だちが増えて良かったです。

ロールモデル紹介~東京2025デフリンピック出場
岡部祐介さん
〈岡部祐介さん〉
地域の小・中学校(難聴学級)を経て、中学部2年生から聴覚支援学校に転入し、高等部専攻科まで7年間在籍していました。筑波技術大学を卒業し、現在は会社員として働きながら、陸上・デフリンピックの選手として活動しています。
岡部さんに、以下の3つについて質問しました。
①幼少期はどんな子どもだったか、きこえない自分とどう向き合っていたか ②デフリンピックに期待すること、目指すこと
③子どもたちへ伝えたいこと
「『できないこと』に目を向けるのではなく、『できること』を一生懸命頑張ることが大切」「聞こえないことを気にして自分にブレーキをかけないでほしい」といった気付きやメッセージをいただきました。
*聴覚支援学校ホームページに岡部さんへのインタビュー内容を掲載しています。ロールモデルを知る機会として、ぜひ児童生徒さんとご覧ください。
小学校卒業後の進路決定に向けて(参考:教育支援資料)
聴覚障害のある子どもの教育の場には、特別支援学校(聴覚障害)、難聴特別支援学級、通級による指導(難聴)があります。そして、教育の場の選択については、本人の障害の状態、教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制整備の状況その他の事情を総合的に勘案して決定することが適当とされています。
学校見学は、学びの場の検討の大切な機会になります。秋頃までには、選択肢である中学校等の見学や教育相談、授業体験等を行い、難聴学級設置の相談や提供可能な配慮についての相談等が行えればと思います。聴覚支援学校の見学や授業体験も随時受け付けています。
お知らせ①
〈一側性難聴の集いについて〉令和7年8月9日(土)9:30~12:00
一側性難聴児童生徒とそのご家族、担当者を対象に、一側性難聴の方の経験談を聞いて聞こえの状態や必要な支援を学んだり、情報交換をしたりします。対象のご家庭や学校宛てにご案内しておりますが(参加対象が小学生以上、幼児の場合は保護者のみの参加)、関心のある方はお問い合わせください。
お知らせ②
〈聴覚障害教育担当者研修会〉令和7年8月7日(木)9:30~11:30
ソノヴァ・ジャパン(フォナック)さんをお迎えして、「補聴援助システムロジャーの活用について」という内容でご講演いただきます。各校宛てにご案内をお送りしておりますので、詳細をご確認の上、お申し込みください。
〈手話学習会②〉令和7年8月22日(金)9:00~9:40
習熟度に応じて3グループに分かれて実施します。お気軽にご参加ください。
参加申し込みは、8月18日(月)まで「きこえとことば支援センター」加賀谷までお願いします。
お問い合わせ
きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
【直通携帯電話】090-8784-6302
〒010-1409 秋田市南ケ丘一丁目1番1号
【聴覚支援学校】
TEL:018-889-8572
FAX:018-889-8575
E-mail:chokaku-s_shien@akita-pref.ed.jp