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令和7年度「高等部弁論大会」

令和8年2月6日金曜日に、高等部の行事「弁論大会」を行いました。

弁論大会では、原稿づくりを通して、自分自身の経験や気持ちの変化を振り返り、それを言葉にして整理することで、考えを深める力を育てることをねらいとしています。また、論理的に文章を構成し、適切な表現で伝える力を養うことも大切にしています。

本番の発表に向けた表現練習では、自分の思いを聞き手にしっかりと伝えるよう、発音や手話の表現を何度も確認しながら取り組みました。対話を重ね、自分の内面にある思いを見つめ直し、言葉としてまとめていく過程は、生徒一人一人の大きな学びとなりました。

当日は、たくさんの観衆を前に緊張しながらも、一人一人が自信をもって堂々と発表する姿が見られ、これまでの努力の成果が感じられる弁論大会となりました。

【練習の様子】

発音練習を言語聴覚士の先生にお願いしている写真です。
ろうそくを使って、息の練習をしている写真です。

校内の言語聴覚士の先生に発音練習をお願いし、相手に伝わりやすい発音を意識しながら、苦手な発音の練習を行いました。

聴覚障害の先生から手話を学んでいる様子です。

より豊かで分かりやすい手話を目指し、空間の使い方、表情、視線などを意識しながら、聴覚障害のある教員に何度も確認してもらいました。

【本番】

発表中の様子
「大好きな 友達」
「手話に誇りをもって」
「後悔を自信に変える」
「スタートラインに立つ」
「私にできること」
「人として」

【参加者(保護者など)の感想】

・みんなの発表がとてもすばらしかったです。

・みんな、堂々としていて良かったです。

・どの生徒の発表もよく内容が練られており、とても良かったです。

・聴覚障害教育の意義や良さを改めて感じることができました。ありがとうございました。

・みんなすばらしい発表だった。たくさん練習してきただろうと思う。

・高1の3人の手話も発表もとっても上手になりましたね。

・みんな原稿をしっかり覚えて発表していて、一生懸命練習したのが分かりました。お疲れ様でした。

・たくさん人がいる会場の中で、堂々と表現し発表することのすごみを感じました。ピリピリした感覚がいいですね。みなさんお疲れ様でした。

・みなさん、レベルアップしていて、大事な会ですね。

・全員が自分に向き合い、それを言葉にし、伝わるように表現するというとても大事な学習だと改めて思いました。

・文を読み上げるだけでなく、伝えようと、口の大きさ、口調、手話の向き、表情と工夫が見られて良かった。とても大事な学習なので、続けていってほしい。

最優秀賞の文章

「人として」

以前の私は、○○先生から返事や挨拶など態度面で注意された時、素直に受け入れられなかった。やらなければいけない理由が分からず「なんで自分だけ?」と苛立ち、反抗的だった。今思うと、恥ずかしい。

高等部で過ごす中で、先輩や先生が、不満はあっても嫌な気持ちを態度に表さないことに気付いた。自分が普段注意されていることは、当たり前のことなのだと感じ始めた。

大きな転機は、9月の全国大会出発日、秋田駅での出来事だ。たくさんの先生方が応援にかけつけてくださった。だが、その時の私は大会のことで頭がいっぱいで、周りのことを全く考えていない言動をとってしまった。

大会後、応援に来てくれた先生方から、私の態度について愛の込もったアドバイスをいただいた。「不機嫌そう」や「いつも通り」という言葉で、初めて相手に不快な思いをさせている自分に気付き、申し訳ない気持ちになった。また、普段からそのような態度で「いつも通り」と思われたことにもショックを受けた。「日常の振る舞いを大切に」や「周りに感謝の気持ちをもつ」など、一つ一つのアドバイスを読むたびに、自分自身の格好悪さに打ちのめされた。この時、「自分がどう思っているか」ではなく、「周りからどう見えているのか」が大切だと気付いた。

それからは、人の話を素直に受け止め、自分の行動を意識するようになった。今なら、あの時、○○先生が繰り返し注意してくれたのは、皆に信頼される大人になってほしいという思いからだったと想像できる。

私は、自分を客観的に見ることは、相手を思いやることだと思う。新しい出会いの中で支え合ったり、悩みを相談し合ったりできる人間関係を築いていきたい。そのために、常に謙虚な気持ちで、自分を客観的に見ることを心がけ、人として成長していきたい。

優秀賞の文章

「スタートラインに立つ」

私は中学校のとき難聴者の自分が嫌いになった。そのせいで勉強をする気持ちがすり減っていくと同時に、自分と正面から向き合えるような環境がほしいと願うようになった。

中学2年生の頃、休み時間に友達の話が聞きとれず、頷いてばかりだった。会話に入りこめず、退屈な日々を送っていた。さらに授業の際、先生の声が聞きとれなかったこともあり、話の内容が半分しか頭に入ってこなかった。そのことに、すごく不満を感じていた。けれども、そのときの私は先生や友だちに「声を大きくゆっくり話して欲しい。」と言えなかった。理由は分からないが、おそらく自分と向き合えていなかったからだと思う。本格的に進路を考える時期に担任の先生から聴覚支援学校を紹介された。母から「そこへ入学したらどう。」と言われたが、私はまだピンとこなかった。いざ体験入学してみると、先生方は声を大きくゆっくり話してくれた。やっと授業を安心して受けることができた。「ここなら、自分が変われるのでは。」と思い、入学することにした。

入学して数日後、気付いたことが二つあった。一つ目は授業では手話を使い、大きな声で話してくれること、分かりやすくする配慮によって、あの頃と比べて確実に情報が入るようになった。学べるという喜びを実感できた。周りに同じ難聴の友達や先輩がいること、そのため気兼ねなく聞き返したり、大きな声で話してほしいとお願いすることが自然にできるようになった。そして、手話でお互いの言葉がより自然に通じ合えた。以前は不満があったが、ここに入って充実した学校生活を送れるようになった。

今は、自分が嫌いではなくなった。授業と向き合い、挑戦の機会も増えた。ようやくスタートラインに立てた。これからも努力を続け、前に進んでいきたい。


前日の会場準備後の生徒の様子。全員演題の前に並んでいる。
前日の会場準備後の生徒の様子

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