6号(小・中学校(通常学級)、高等学校における支援、オンライン情報交換ルームの取組など)
2025年11月5日
発行:きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
小・中学校(通常学級)、高等学校における支援について
通常の学級にもきこえにくい児童生徒が在籍しているという学校も増えてきています。発達段階に応じて、本人がどうしてほしいかを確認しながら進めていきます。小学校高学年から中学校にかけては支援に抵抗を感じるお子さんもいますが、本人の考え、学習の進め方等に合わせて柔軟に対応していくことが大切になります。
〈年度初めの確認〉
(1)補聴器・人工内耳について(本人・保護者)
- 電池の管理について– 交換用の電池や充電池、交換の仕方
- 体育等で外す必要がある場合について – プール等での管理
- 器機の管理について– 使う場面、聞こえ方の確認方法、故障時の対応等
(2)支援体制について(特別支援教育コーディネーター)
- 全校職員で支援体制や子どもの実態を共有する。
- 支援員がいる場合は、支援内容の確認をする。
(3)教室環境
- 机とイス(脚にフェルトやテニスボールをつけて騒音を防ぐ)
- 座席の位置(基本的には、前から2、3列目、中央から窓寄り)
〈日々の学校生活での支援〉
(1)聞こえの確認
- 児童生徒が補聴器/人工内耳を着けているかを確認する。
- 補聴援助システム(ロジャーなど)を使用している場合は、随時、聞こえ方や困り感を聞き取る。
(マイクの距離、on/off切り替えのタイミング、場面に応じたモードの使い分け等)
(2)文字の提示
- 主発問や指示を板書する。
- これから発表する児童生徒や音読している箇所等を指し示す。
(3)話し方
- 補聴器/人工内耳は、2mまでの距離が効果的に聞き取りやすいことに留意し、正面からはっきりと話す等を心掛ける。 作業等をしながらの会話はしない。
他の児童生徒と同じように行動し、聞こえているように見えて、実は本質的な部分は理解できていなかったり、勘違いしていたり、分かったように振る舞ったりしていることもよくあります。大事なことは黒板の隅などにメモをする、「分かりましたか」ではなく「次に何をしますか」のように、話の内容を理解しているかどうかの確認が必要になります。
参考
- 聴覚障害支援ガイドP16~17、21(きこえとことば支援センター)
- 難聴をもつ小・中・高校生の学校生活で大切なことP11(岡山大学病院耳鼻咽喉科)
オンライン情報交換ルームの報告
難聴児童生徒担当者同士が気軽に情報交換をしたり、相談し合ったりする場として、年3回の予定でオンライン情報交換ルームを計画しています。10月2日(木曜日)の第2回には、小学校難聴学級の先生方が参加してくださいました。
今回は、進路選択や、中学校に向けた引継内容やその方法について話題になりました。
難聴学級だけではなく、交流学級での学びのための効果的な支援について、本人と確認しながら進められてきています。学年間、教科担任間といった校内の横のつながりから、中学校進学に向けた縦のつながりを綿密にすることの確認などをしました。
次回は令和8年1月13日(月曜日)13時30分から14時30分の間で行います。
よろしければ御参加ください。
ロールモデル紹介~東京2025デフリンピック出場
猿樂彩香さん
猿樂彩香(さるがくあやか)さん
- 秋田市立土崎小学校(4年生まで)
- 秋田県立聾学校(聴覚支援学校)(5年生から)
- 東京女子体育大学
- 横須賀ろう学校(教員として)
教員、子育てのかたわら練習に励み、デフリンピック出場が決定しました!
質問内容
- どんな子どもだったか
きこえにくい自分との向き合い方 - デフリンピックに期待すること
- 子どもたちへ伝えたいこと
猿樂さんからのメッセージ
「陸上がつらくなり離れていた時期もありましたが、自分が自分らしくいられる場所、生き生きできることとして競技を続けてきました。同じように、みなさんには、ファッションでも趣味でも何でもいいから自分の好きなことを大切にしてほしいです。」
*聴覚支援学校ホームページに掲載しています。ロールモデルを知る機会として、ぜひ児童生徒とご覧ください。
お問い合わせ
きこえとことば支援センター(秋田県立聴覚支援学校内)
【直通携帯電話】090-8784-6302
〒010-1409
秋田市南ケ丘一丁目1番1号
【聴覚支援学校】
TEL:018-889-8572
FAX:018-889-8575
E-mail:chokaku-s_shien@akita-pref.ed.jp