学校教育プラン
令和5年度~令和9年度
学校の現状と課題 ・ 学校を取り巻く将来の状況の予測
秋田県の状況
子どもの数が減少している中、聴覚障害教育対象の子どもの数は横ばいである。具体的には、
聴覚支援学校の在籍者数は減少傾向が続いており、20人前後まで減少している。一方、小・中
学校の難聴特別支援学級に在籍している子どもの数は増加傾向が続いている。しかし、在籍が
一人の学級がほとんどであるため、子ども同士が集う場が求められている。また、小・中・高等学
校の通常の学級で学ぶ軽度難聴や一側性難聴の子どもの中には、補聴機器を装用する子どもも
おり、聴覚障害教育の対象は拡大している状況である。
聴覚支援学校の状況
県内唯一の聴覚障害教育の特別支援学校であり、0歳からの早期教育をはじめ、幼稚部から高
等部専攻科までの一貫校である。集団補聴システムや手話、指文字等を使ったコミュニケーショ
ン等により、個に応じた「分かる授業」を実践している。また、大学等の進学や一般就労、福祉的
就労等の多様な進路に対する教育課程を編成している。
子どもの数が減少している中、多様なニーズが求められている。具体的には、人工内耳装用の
子どもの数が増えている。また、重複障害の子どもの割合が増加している。さらには、中学部・高
等部から入学する生徒の割合が増加している。
新生児聴覚検査事業の療育拠点機関としての役割を果たしてきた。サテライト教室を含む「きこ
えとことば支援センター」を中心に、全県の相談・支援に努めている。
関連する国内外の動向
2022年2月、厚生労働省から「難聴児の早期発見・早期療育のための基本方針」が通知され、
各自治体の計画への位置づけが期待される。
2022年9月、国連の障害者権利委員会から、日本政府に対する勧告があった。
2025年、デフリンピック夏季大会が東京で開催される。
目指す方向性 ・ 学校像や幼児児童生徒の姿
目標とする幼児児童生徒像
- 心身ともに健康で、豊かな気持ちで活動ができる
- 自分を知り、友だちと仲良く、他者を尊重できる
- 自ら学び、日本語の力と学力をしっかり身につける
- 自分の責任をしっかり果たすことができる
目指す方向性
聴覚障害教育の専門性の高い学校として選ばれる学校づくり
長期的な方向性:秋田型インクルーシブ教育(聴覚障害教育)の推進
本校の使命は、「インクルーシブ教育」を推進する聴覚障害教育のセンター校として、それぞれ
の学びの場に、幼児児童生徒に適切な情報を提供し、的確な指導ができる環境を作る支援を行
うことである。
具体的な目標 ・ 取組 ・ 推進指標
魅力ある学校づくりの推進・発信
- 幼稚部から高等部、高等部専攻科までの一貫教育
分かる授業・伝わる環境の充実、乳幼児教室による保護者支援、等 - きこえやことばに配慮した質の高い授業づくり
日本語の力・基礎学力の向上、自立活動的な配慮、ICT活用、等 - 進学や一般就労、福祉的就労等の多様な進路希望に対応した教育課程の編成・実施
進学向けのカリキュラム、高等部専攻科の充実 - 生きる力の育成につながるキャリア教育・進路指導
就職等に向けた各種実習、先輩と語る会、等 - 自己理解を深め、意思表明する力の育成につながるエンパワメント支援
合理的配慮の提供、セルフアドボカシー、等 - 言語活動の充実につながる読書活動
全校読書週間、読み聞かせ、図書委員会活動、等 - 教育的ニーズに応じた寄宿舎の有効活用
体験舎泊、冬季入舎、他 - 手話を生かした教育活動の創造
手話パフォーマンス甲子園への挑戦、伝え合い学び合う活動、等 - ロールモデルから学ぶ機会の保障(卒業生他)
聞こえない先輩の課外授業(デフリンピアン、パフォーマー、等) - 聴覚障害や聴覚支援学校の理解啓発
ホームページの更新頻度向上、難聴理解学習・研修の充実、等
聴覚障害教育の専門性の維持・継承
- 専門性プロジェクト等の充実
地域資源(専門家や機関、資料等)を活用した研修 - 専門性の高い人材の養成・配置
教育専門監の配置、新たなSTの養成、特総研専門研修への派遣、等 - 聴覚障害免許所有者の増加
他県の認定講習等を受講するための支援、免許所有者の積極的な転入、等 - 他障害を併せ有する子どもたちへの指導の充実
重複障害教育の各種研修会実施・参加、知的障害特別支援学校との連携、等 - センター的機能による切れ目ない支援
さらなる多職種連携の推進(医療、保健、福祉、教育、労働、等)
難聴児や保護者、担当者がつながる場の提供
支援が円滑に移行するための資料の作成・活用
効果的・効率的な学校運営の推進
- ICTを活用した学習活動の提供
聴覚障害の特性に応じた活用、オンラインを活用した体験活動、等 - 同年代との交流及び共同学習の実施
エリア3校との合同学習、視覚支援学校との合同修学旅行、他
ニーズに応じた多様な交流活動(学校間、居住地校、等) - 関係機関との連携による教育活動等の企画(当事者団体、他)
聴覚障害に関わる活動(障害認識、手話、進路、等) - 地域を舞台にした教育活動の実施
奉仕活動、地域イベントへの参加、等