〈絵画作品部門〉

講評:作者が何を思いながら制作したのかと考えたときに、ひとつの作品になることを楽しみにしているのだろうと感じた。ここまでの表現方法を身に付けてるということは、これまで積み重ねてきたことが上手く結びついているのだと思う。自分の中にある世界を楽しめている。
講評:作者の気持ちが絵に表れている。なぜ両腕にエメラルドグリーンの深い色を使ったか分かりかねるが、表現したいことに合った色なのだろう。見栄えがよくなるよう指導することもできるが、指導された先生は生徒の率直な気持ちを尊重して制作している。その思いがうれしい。


講評:どのような生活体験を経てこの絵にたどり着いたのか興味深い。稲刈りはご家庭の生業なのか、学習で関わったのかは分からないが、稲が成長するととても丈夫になる、その力強さが絵に表れている。ひとつひとつのモチーフを見逃さずに描いているのは気持ちの表れだと思う。
講評:捉えたことを大切にしている作品だ。一気に流して塗ることなく、一筆一筆を大切に塗っている。色の重ね方も雑なところがなく、自分の気持ちを丁寧に表しているのだろう。ゆっくり線を引いているところがうれしい。スタンダードでありながら、概念的ではない作品である。


講評:フォルムに作者の心の中の童心を感じる。技巧的に上手いのか、これから成熟するのかはまだ分からないが、結果的に作品の中で世界が成立している。先生が子どものよさを生かしているが、指導に酔うことなく作者の気持ちを大切にしているのがよく分かる作品だ。
〈自由作品部門〉
講評:造形の発達段階が様々に表れている。概念的な捉え方、写実的な捉え方、好きなキャラクターを描いている子もいる。偶然か意図的かは分からないが、全体がとても調和している作品だ。それぞれが自分の世界に浸ってイメージを生み出して発想、構想、表し方を考えている。


講評:完成まで集中力を切らさず制作している。おそらく指導をした先生が支えながら制作したと思うが、この作品からは先生と生徒が一緒に楽しみながら同じ立場で制作したことが伝わってきた。このような形の制作は、特別支援教育におけるひとつの表現の在り方である。
講評:3人で制作していて驚いた。何日かかったのだろう。中を見るとひとつひとつのパーツが全て異なっている。毎日いろいろな気持ちで制作したのだろう。その気持ちがひとつの塊になったパワーのある作品だ。毎日の営みが形になっている。これは作業ではなく制作になっている。


講評:生徒が自分に合った材料を選んで制作したのだろう。ひとつの世界にまとまりをつけていて、楽しく制作したことが伝わってくる。ひとりで作ることも楽しいが、みんなで集まって作るとより楽しい。これこそが学校教育である。造形による学習のまとめというのもよい方法だ。
講評:特にどんぐり列車が楽しそうだ。どの作品もひとつひとつ丁寧に作っている。目玉にとても惹かれた。思ったところに目を付けるだけでも大変だが、それができる技能が育っている。表し方はとてもよいので、大きさの殻を破ることができれば、もっといろいろなことができる。
