第148号 きらりNet
2025年7月31日
秋田県立秋田きらり支援学校 地域支援部 発行
本文から抜粋して紹介します。詳細は「きらりNet第148号」よりご覧ください。
幼児教室「きらり☆ひろば」
入院児への支援として、中通病院小児科に入院している幼児を対象に、幼児教室「きらり☆ひろば」を実施しています。月2回、病室を訪問し、ベッドサイドで歌や手遊び・絵本の読み聞かせ・季節の制作等の活動を行います。 入院していても季節の移り変わりを感じることができるよう、四季に合わせて活動内容を変えています。この日は梅雨に合わせて雨傘をさし、一緒に「あめふり」の歌を歌いました。
文責:高橋 葉月
入院時の支援
A小学校の場合
A小学校6年生のBさんは、病気のため1か月半ほど入院しました。入院中、体調は安定しており、 検査や治療がある以外は普段と変わらず過ごせていました。
<本人・保護者のニーズ>
○学校の授業に遅れることが心配。
○絵を描いたり工作したりすることが好き。病院でもできるかな。
<A小学校の教頭先生と担任の先生より>
○オンライン授業は可能。まずは、学校にある一人1台端末を渡し、朝の会と算数を中心に計画したい。
○1週間分まとめて、授業プリントを渡したい。
○サポセンに、オンライン授業の接続とプリント学習のサポートをお願いしたい。
○2回目からは、Bさんが自分でタブレットを接続しました。毎日朝の会をつないでもらったことで、その日の授業予定と検査予定等を担任の先生と相談し、無理のないペースでオンライン授業に参加しました。
○Bさんは年度末に体調不良になり、そのまま入院になったため、新学期になってから登校できていませんでした。しかし、授業以外に休み時間もオンラインでつないだことで、クラスメイトと話ができ、安心感を得ていました。思いを込めて全員にビーズストラップを作り、プレゼントしました。
○授業では、先生が画面共有機能を使い、めあてや資料を映してくれました。受けられなかった授業分は板書を写したノートのコピーが届きました。Bさんの発言に対し、「みんなはどう?」と問い掛け、クラスメイトの「いいでーす!」の声が聞こえると笑顔が見られました。
○入院中に行われた運動会は、家族が学校に出向いてビデオ通話をつないでくれました。病院から競技を参観できただけでなく、クラスメイトがBさんが作成したストラップをカバンに付けてくれている様子が映り、「嬉しかった」と教えてくれました。
文責:高橋 葉月
専門監のつぶやき
病名が告げられ、入院となった子どもたちは、それまで当たり前に過ごしていた学校生活と突然切り離された気持ちになります。数週間であっても子どもにとっては長い期間です。また、病院では、家族と離れて過ごす子どもを思い、不安や心配で涙を流す保護者も少なくありません。 そんな中、保護者からオンライン授業の依頼があったA小学校は、すぐに1台端末を貸し出し、実施に向けて動いてくださいました。そのスピード感は、本人・保護者にどれほどの安心感を与えたことでしょう。オンライン授業での先生や友達からの声掛け、週末に届く友達の字で書かれたノートのコピー等は、病室にいながらも教室を身近に感じさせてくれました。 さらに、Bさんが病院で受けたテストは100点!「病院でも学校と変わらずに授業を受けられると分かった。安心したし自信になった。」と教えてくれました。担任の先生の配慮が行き届いたさりげない支援は、Bさんが治療や勉強をがんばる上で大きな力になりました。
文責:藤井 奈緒子